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相続税及び贈与税法(改正)

<法律第13557号 2015年12月15日>


1.改正理由

 納税者が法令を容易に理解できるよう法令体系を整備し、贈与税の完全包括主義の原則に符合するよう贈与及び贈与財産の概念及び課税対象となる贈与財産の範囲を明確にし、各贈与時期を具体化する一方、法人の最大株主等が配当を受けず、又は保有持分より著しく少なく配当を受けることによりその最大株主等の特殊関係人が本人の保有持分を超過して受ける超過配当利益に対して贈与税を賦課し、特殊関係法人から事業機会を提供された受恵法人の株主に対する贈与税の課税の根拠を新設し、営農相続控除の限度を上向き調整し、物納の対象及び要件を整備する等、現行制度の運営上現れた一部の不備点を改善・補完しようとするものである。

2.主要内容

イ.目的条項を新設する(第1条新設)

  相続税及び贈与税の公正な課税及び納税義務の適正な履行の確保等、「相続税及び贈与税法」の立法目的及び規律対象を明確に知ることができるよう目的条項を新設する。


ロ.主要な用語及び概念を定義規定に追加する(第2条新設)

1) 相続、相続財産、相続人、贈与、贈与財産及び受贈者等、「相続税及び贈与税法」で反復して使用される主要な用語に対する定義を解りやすく集めて規定する。

2) 贈与税の完全包括主義の原則に符合するよう、贈与の概念を、その行為又は取引の名称・形式・目的等と関係なく直接又は間接的な方法によって他人に有形・無形の財産若しくは利益を無償で若しくは著しく低い対価を受けて移転し、又は他人の財産価値を増加させることと規定する。


ハ.相続税の課税対象及び納税義務を整備する(第3条及び第3条の2)

  現在、第1条、第3条及び第7条に分散して重複して規定されている相続税の課税対象及び納付義務を案第3条及び第3条の2にそれぞれ体系的に整備し、営利法人は相続税の納付義務を有しないことを明確にする。


ニ.贈与税の課税対象及び納付義務を整備する(第4条及び第4条の2)

1) 現在、第2条、第4条、第31条に分散して重複して規定されている贈与税の課税対象及び納付義務を案第4条及び第4条の2にそれぞれ体系的に整備する。

2) 贈与税の完全包括主義の原則に従い、「相続税及び贈与税法」に列挙された贈与の例示的な性格の個別規定に該当しないときであっても、当該規定を準用して贈与財産の価額を計算することができる場合には贈与税を賦課することとする等、贈与税の課税対象となる贈与財産の範囲を規定する。

3) 営利法人は贈与税の納税義務を有しないことを明確にし、営利法人が贈与された財産又は利益に法人税が課税された場合に、当該法人の株主及び出資者に対しては、「相続税及び贈与税法」によって贈与と擬制される場合を除いては、原則として贈与税を課税しないこととする。


ホ.営農相続控除の限度を拡大する(第18条)

  農民の円滑な営農承継を支援するため、営農相続控除の限度を現行の5億ウォンから15億ウォンに上向き調整する。


ヘ.相続財産に対する人的控除を拡大し、同居住宅相続控除の控除率を上向き調整する等(第20条第1項、第22条及び第23条の2第1項)

1) 相続財産に対する人的控除のうち子及び老年者に対する控除額を3千万ウォンから5千万ウォンに、未成年者及び障碍者に対する控除額を年間500万ウォンから年間1千万ウォンにそれぞれ上向き調整し、未成年者の基準年齢を20歳から19歳に、老年者の基準年齢を60歳から65歳にそれぞれ調整する。

2) 相続税の課税標準の申告期限までに申告しない他人名義の金融財産は、相続控除の対象から除外する。

3) 無住宅の同居の子が相続した住宅に対して適用される相続控除の控除率を相続住宅価額の40%から80%に上向き調整するが、同居期間から相続人が未成年者である期間は除く。


ト.世代を飛び越えて未成年者に相続又は贈与する場合の割増課税を強化する(第27条及び第57条)

  相続財産又は贈与財産が20億ウォンを超過して未成年者に世代を飛び越えた相続又は贈与をする場合の割増課税率を現行の100分の30から100分の40に上向き調整する。


チ.贈与財産価額の計算の一般原則を整備する(第31条)

  贈与の類型に応じて、財産又は利益が無償で移転された場合、財産又は利益が著しく低い対価を与えて移転され、又は著しく高い対価を受けて移転した場合及び財産を取得した後に当該財産の価値が増加する場合にそれぞれ区分して贈与財産価額の計算の一般原則を整備する。


リ.低価の譲受又は高価の譲渡に伴う利益の贈与の規定を明確化する(第35条)

  財産を時価より低い価額で譲受し、又は時価より高い価額で譲渡した場合に対する贈与税の課税と関連し、特殊関係人の間の取引と特殊関係人でない者の間の取引とにそれぞれ区分して贈与財産価額を計算することとする。


ヌ.不動産の無償使用に伴う利益の贈与の時期を明確化する(第37条)

  他人の不動産を無償で使用し、又は無償で担保として利用して利益を得た場合について、その無償使用を開始した日又は担保利用を開始した日をそれぞれ贈与日とすることと明確にする。


ル.減資に伴う利益の贈与の規定を整備する(第39条の2)

  株式又は出資持分を時価より低い対価で消却する場合と時価より高い対価で消却する場合とに区分してそれぞれ贈与財産価額を計算することとし、この場合、減資のための株主総会決議日を贈与日とすることを明確にする。


ヲ.特殊関係株主間の超過配当に対して贈与税を課税する(第41条の2新設)

  法人の最大株主等が配当を受けず、又は保有持分に比べて過少な配当を受けることによってその最大株主等の特殊関係人が本人の保有持分を超過して受ける配当を贈与とみなしてその超過配当金額に贈与税を賦課するが、超過配当金額に対する贈与税が所得税相当額より少ない場合には、贈与税を賦課しないこととする。


ワ.その他の利益の贈与を具体化する(第42条、第42条の2及び第42条の3新設)

1) 現行の第42条に統合して規定されている利益の贈与を個別の類型別に分類して別途の条文を構成し、それぞれ贈与の例示的な性格の規定であることを明確にする。

2) 財産の使用又は役務の提供によって利益を得た場合を、他人に時価より低い対価を支払い、又は無償で他人の財産を使用し、若しくは他人の役務が提供された場合等とそれぞれ具体化し、当該時価と対価の差額を贈与財産価額とすることとし、特殊関係人でない者の間の取引である場合には、取引の慣行上、正当な事由がない場合に限って適用することとする。

3) 株式の包括的な交換及び移転、事業の譲受・譲渡、事業の交換及び法人の組織変更等によって利益を得た場合に、所有持分又はその価額の変動前と変動後の財産の評価差額を贈与財産価額とすることとし、特殊関係人でない者の間の取引である場合には、取引の慣行上、正当な事由がない場合に限って適用することとする。


カ.特殊関係法人から提供された事業機会によって発生した利益に対して贈与税を課税する(第45条の4新設)

  支配株主と特殊関係にある法人から事業機会を提供された場合に、その提供された事業機会によって発生した受恵法人の利益に支配株主等の株式保有比率を考慮して計算した金額相当額を支配株主等が贈与されたものとみなして課税するが、3年後に実際の損益を反映して既に納付した贈与税の過不足額を再度計算して精算することとする。


ヨ.特定法人との取引を通じた利益を贈与擬制に転換し、贈与擬制利益の計算方法を明確化する(現行第41条削除、第45条の5新設)

1) 特定法人との取引を通じた利益の贈与を、贈与の例示的な性格の規定から贈与擬制規定に転換する。

2) 特定法人がその法人の株主又は出資者と特殊関係にある者と取引をすることによって利益を得る場合、その取引を通じた特定法人の利益に当該株主又は出資者の株式保有比率を乗じて計算した金額相当額を特定法人の株主又は出資者が贈与されたものとみなして贈与税を課税することを明確にする。


タ.義死者等の遺族が受ける弔慰金等について非課税とする(第46条第9号)

  国家有功者及び義死者の遺族が受ける弔慰金及び物品等については、贈与税を賦課しないこととする。


レ.公益法人等に対する加算税の賦課の例外事由を規定する(第48条第8項但書き新設)

  公益法人等が出捐を受けた財産の価額は贈与税の課税価額に算入しないが、公益法人等に対する出捐者又はその特殊関係人が当該公益法人等の理事の数の5分の1を超過して理事となる場合には加算税を賦課することとしているが、今後は、理事の死亡等やむを得ない事由によって理事の数の5分の1を超過した場合であって当該事由が発生した日から2ヶ月以内に事理を補充し、又は改任する場合には、加算税を賦課しないこととする。


ソ.贈与財産に対する控除額を上向き調整する(第53条)

  物価上昇等の経済的な与件の変化を反映し、贈与財産に対する控除額のうち、直系卑属から贈与された場合の控除額を3千万ウォンから5千万ウォンに、六親等以内の血族又は四親等以内の姻戚から贈与された場合の控除額を500万ウォンから1千万ウォンにそれぞれ上向き調整する。


3.施行等

第1条(施行日) この法は、2016年1月1日から施行する。

第2条(一般的適用例) この法は、この法の施行以後に相続が開始し、又は贈与される場合から適用する。

第3条(名義信託財産の贈与の擬制に関する適用例):省略

第4条(特殊関係法人から提供された事業機会によって発生した利益の贈与の擬制に関する適用例):省略

第5条(公益法人等に対する加算税の賦課の例外に関する適用例):省略

第6条(物納の対象及び要件に関する適用例等):省略

第7条(課税標準及び税額の決定の通知に関する適用例):省略

第8条(金銭の無償貸付等に伴う利益の贈与に関する適用例):省略

第9条(財産使用及び役務提供等による利益の贈与に関する特例):省略

第10条(特定法人との取引を通じた利益の贈与に関する経過措置):省略

第11条(名義信託財産の贈与擬制の例外事由に関する経過措置):省略

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